介護のための食事を美味しく作ろう!その重要性と新概念について解説

介護食というとドロッとしたイメージがあるかもしれませんが、実際には食べる人の状態によって異なるのをご存じでしょうか。

最近はスーパーなどで、レトルトで食べられるタイプもあり大変便利になりましたが、やはり手作りの食事には適いませんよね。介護食を準備する側が作り方のポイントを押さえてスムーズに食事を作り、介護食を利用する側も美味しく食べるためにはどのような工夫をすると良いのでしょうか。

今回は、介護食について詳しく解説します。

介護をしやすくする食事の重要性

「介護食」とは飲み込む力や咀嚼する力が弱くなっている人が、安全性を確保しながらスムーズに食べられるように工夫された食事です。

年齢を重ねていくと歯が衰え始め筋力が弱くなるので、健康な人が食べる「通常食」が食べづらくなります。さらに食べ物を喉に詰まらせて呼吸困難になったり、気管支内に食事が流入し肺炎を起こす可能性も否めないため、これらを予防する介護食は必要不可欠なものです。

食事がしやすくなる介護食の種類

介護食には、介護を受ける人の身体の状態に合わせた種類がいくつかあります。主な介護食の種類は以下になります。

きざみ食

咀嚼がしやすいように、食材を細かくきざんだ食事です。咀嚼する力が衰えた人、筋力が弱まり大きく口を開けることができない人などに適しています。

ミキサー食

ミキサーで食材を液状にし、飲み込みやすくした食事です。誤って喉頭と気管に入ってしまうことがないように、とろみをつけることもあります。噛むことが上手くできず、飲み込む力が低下している人に適しています。

流動食

消化しやすいということに特化した液状の食事です。主に重湯やスープなどで、胃腸の手術をした後や高熱などで体力が消耗し、消化能力が低下している人に適しています。

介護の食事のイメージを変える「スマイルケア食」

これまでの介護食は安全性だけが重視されていましたが、近年介護食を利用する人の要望を反映した「スマイルケア食」という概念が広がっています。

スマイルケア食とは農林水産省が提案した介護食における新概念で、安全に食べられるだけでなく、美味しそうに盛り付けた見た目や味付けにこだわった食事を目指す取り組みです。

介護を受ける高齢者の中には、人と話す機会がなくなり出かけることもままならない状態で、ずっと寝たきりの人も少なくありません。そんな生活の中で、食事は元気になるよりどころにもなります。美味しく見た目も良い介護用の食事は日々の活力にも繋がり、心身共に満たされるのではないでしょうか。

美味しい介護食で楽しい食事をしよう

安全性第一の介護食は、介護される人の状態によって複数の種類があり、その人が一番美味しく食べられる状態の食事にすることが重要です。そして近年、安全性だけでなく「通常食」のように美味しさを追求し見た目にも配慮した「スマイルケア食」という概念が広がりをみせています。

食べることは人にとって活力や元気の源になります。しかし、介護を受ける人は食事のたびに手間をかけて申し訳ないと思っているかもしれません。そして食事を作る側も、栄養面や安全面を都度考えなくてはいけないので負担を感じることもあるでしょう。

「スマイルケア食」の概念はそうした双方の気持ちを軽くするだけでなく、日々の食卓を明るくしてくれるに違いありません。

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