介護をスタートするときに、在宅介護が良いか施設介護が良いか選択に迷う方は多いといわれます。
費用的には、在宅介護の方が施設介護より安く済むと想像できるので、やはり在宅が良いかもしれないと思うかもしれません。しかし、費用面だけで介護方法を決定するのはおすすめできません。
今回は、在宅介護と施設介護の費用の違いをご紹介しながら、在宅介護の問題点に焦点をあて改善策を解説します。
在宅介護と施設介護の費用の違い
まず、在宅介護と施設介護の費用はどのくらいなのかみていきましょう。
在宅介護の費用
在宅介護は、1ヵ月にかかる費用が平均5万円という調査結果があり、内訳は介護サービスに関する費用で平均1万6,000円、その他の費用として平均3万4,000円となります。
ただし要介護4~5の方や、重度の認知症の方の場合は1ヵ月で平均13万円くらいかかるようです。
施設介護の費用
施設介護の場合、公的施設は1ヵ月で約5~15万と比較的安い費用で利用できます。ただし、部屋の広さやタイプによっても費用は大きく変化します。
一方で民間の施設では、1ヵ月で約15~30万といわれています。さらに入所する際に数十万円から数千万円の一時金がかかる場合が多いといえます。
費用だけでは選べない!在宅介護のデメリットとは
在宅介護は施設介護より費用はかかりませんが、在宅介護は24時間365日体制の介護で心身共に負担が大きいのが現状です。
介護には休みがありません。「介護疲れ」という言葉がありますが、家族は介護のプロではないので、できることに限りがありますよね。特に初めての介護は慣れないことも多く、負担が大きくなってしまうことがあります。
また、介護者の将来を変えてしまう可能性があることを知っておきましょう。
今社会問題になっている「介護離職」は、在宅介護をしている家族のかかえる問題です。在宅介護時間確保のために転職をして収入が減ったり、仕事復帰しようとしても再就職が難しくなるケースが多くあります。
費用負担が足かせ?在宅介護問題の改善策とは
在宅介護をやり遂げる自信がなく、施設入所のための費用負担も厳しい場合、例えば兄弟姉妹、親しい親戚がいる場合、皆で費用負担し合うことも検討してみましょう。実現可能であれば、民間施設へ入ることも可能かもしれません。
また、在宅介護をすると決めた場合でも、外部サービスをどんどん利用して心身の負担を少なくしていくことがとても大切です。
いろいろな人に頼って無理のない介護をしよう
在宅介護は施設介護よりは費用は安いですが、その分心身の負担が大きくなる場合があります。頼れる兄弟姉妹などがいれば費用負担の協力を仰ぎ、施設入所も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
また、在宅介護を決断してもとにかく一人で抱え込まないことが大切です。無理がでてきたなと感じたら遠慮なく人に頼ることが、ご本人にとっても介護する側にとってもベストな選択になるでしょう。
どのような小さなことでも良いので、近所の人に相談したり外部のさまざまなサービスを利用するなどして負担を軽減し、心身ともに無理のない介護を目指してくださいね。