高齢化社会が進行している昨今ですが、その中で問題になっているのが高齢者介護です。増え続ける高齢者が安心して暮らせる社会を築くためには、どのような問題を改善していかなければならないのでしょうか。
今回は高齢者介護における主な問題点を洗い出し、改善させる方法について考えていきましょう。
高齢者介護における問題点
高齢者介護にはさまざまな問題が指摘されています。主な問題点を順に見ていきましょう。
老人が老人を介護する現実
いわゆる「老老介護」と呼ばれる問題で、介護する方とされる方の両者が65歳以上の場合を指します。一番多いのが夫婦間で、兄弟や姉妹間の場合もあり、高齢になっている子供が親戚や親の介護をするケースもあります。
要介護者が適切な介護サービスを受けられない
日本では介護が必要な状態と認定されているにもかかわらず、介護施設へ入所できないとか家庭で適切なサービスを受けられない方が大勢います。
日本の総人口は減少している中、高齢者が増えていることが要因のひとつであり、介護従事者の不足も原因とされています。
介護のために離職せざるを得ない
高齢者介護は生半可な対応ではできません。介護者は1日中介護が必要な高齢者に付き添い、面倒を見ていく必要があるため、仕事を辞める選択をしなくてはならない場合が多い傾向があります。
日本の介護者の無業率は半数近くになっており、生活できるだけの収入がある仕事がないにもかかわらず、介護に携わっている人がかなり多いことがわかります。
高齢者介護問題を解決する糸口とは
高齢者介護の問題を改善させるには家庭内の努力だけでなく、国や地域の人々などでケアする体制を整えることが重要です。
地域みんなで高齢者を見守ろうという取り組みの一環で、各地方自治体には「地域包括支援センター」というものがあります。介護の相談も受け付けているので積極的に利用していきましょう。
介護者本人だけでなく、地域に住むひとりひとりがこのようなシステムを認識し、近隣同士で支えあう姿勢が求められています。
さらに、年を重ねていくうちに体を弱体化させないために、日頃から体を動かし日常的な家事を積極的にするようにしましょう。
「自分のことは年をとっても自分でする」という心がけで生活すると、心身の健康を保ちやすくなりますよ。ひとりひとりが重度の要介護者にならないように、自分自身をケアしていくことが大切です。
要介護が必要な高齢者が安心して暮らせる社会にしよう
高齢化社会における介護問題を改善させるには、家庭内だけで考えるのではなく、国や地方自治体での制度を積極的に活用し、地域で支え合うことが重要です。
また、自分自身が高齢化していく中で、常に健康を維持するための運動をするなど、セルフケアを怠らないようにしましょう。
高齢者介護問題は簡単に解決できない問題だからこそ、ひとりひとりの自覚と取り組みが重要です。
自分がどのような一生を過ごしたいか、どのような老後を過ごしたいかを考えながら問題改善に向けて行動していくことが求められます。